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噴水で遊ぶ妖精
噴水で遊ぶ妖精

使用アプリ:DAZ StudioIray), Photoshop

「シルア、君の写真を撮りたいんだ。いいかな?」
言葉は通じない……と思った。
それでも、了解は取っておきたい。
彼女は私を見つめ、一眼レフのカメラを見る。
「そう、これで君を撮るんだ」
私はカメラを彼女に向け、ファインダーを覗き、シャッターを切る。
彼女はおびえたように身構える。
「ごめん。君を傷つけるものじゃないんだ。ほら」
カメラの液晶画面に、撮った彼女の姿を表示させた。
彼女は画面を覗きこみ、自分の姿に驚きつつ、指差していった。
「シルア?」
「そう、君だ」
「クァメェ…ゥラ、シャスィンン?」
カメラ写真、うんそうだ。知ってるのかい?」
彼女はコクンとうなずいた。
人間との出会いは初めてではないのだ。片言だが、人間の言葉を理解できるようだ。以前にも、彼女は誰かに写真を撮られたことがあるらしい。

シルアは警戒心が解けたのか、歌うようにさえずり、私の周りをくるくると飛ぶ。
私はカメラで彼女を追い、シャッターを切る。
人のいない森の中だからいいが、妖精が見えない他人には、ひとりでなにをしているのかと怪しまれるだろう。

彼女を観察していて、気がついたことがある。
飛んでいるとき、羽ばたいているわけではないことだ。蝶や鳥のように、羽ばたくことで揚力を得るのではなく、なにか別の力で飛んでいる。飛ぶ彼女の周りには、キラキラと小さな光の粒子が舞っているのが見える。
そもそも、体の大きさに対して、羽のサイズは小さいし、半透明で薄い。なんらかの物理的な力は働いているのだろうが、とりあえず「魔法の力」で飛んでいると解釈しておこう。

シルアは噴水の上に降り立つ。
おそらく川の水が引かれているだと思うが、噴水には水が流れていた。
彼女は楽しそうに水で遊ぶ。

 

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